まさか優くんだなんて思わなかった。
呼吸が止まる。
目に当てていた保冷剤が徐々に下がっていく。
優くんも驚いた表情をして、あたしを見つめた。
「…………」
静かな空気が保健室に溢れていく。
優くんも…失恋したの?どういうこと?
意味が分からないよ。
優くんの手には、あたしと同じ保冷剤があった。
それは何に使ったの?
目を冷やしていたの?
なんで、どうして?
泣いたから?
だからまだちょっとだけ目が腫れているの?
駆け巡る、疑問。
何が本当?何が嘘?
「先生…俺帰るわ」
「はい、分かったわ。お大事に」
優くんはあたしから視線をずらして、保健室から去って行った。
空っぽ状態となったあたしは、何も考えられなくなった。
優くん…
本当のことを言って…
あたしはいつまでも待ち続けるから…。
いつまでもあなたを愛しているから…。
それから、時間は流れていった…。


