空の上から愛してる



あっという間にもう夏休みになっていた。
学校は部活以外行かない。
学校に行くと胸が苦しくなる。
理由は何となく分かる。
だから行きたくなかった。
思い出してしまうから。



『百合、今月の27日ヒマ?』



今は8月。
太陽を向いて咲く向日葵が、あの人を連想させる。
学校から離れても、街であの人を思い出させるモノが幾つも転がっている。
あたしにはもう逃げ場はないのだろうか。



「27日…」



安里くんからの誘いに戸惑ってしまう。
ちらつく、思い出。
部屋をぐるりと見渡せば、鮮明に去年のことが思い出される。



8月27日。
それは優くんと初めてひとつになった日。
この部屋で愛を確かめ合った。



『百合?どうかした?』



どうしても、その日の思い出だけは消したくない。
理由は聞かないで。
あたしにも分からないの。



だけど、去年の思い出を、新しい思い出に塗り替えたくなかった…。