欲張りが芽生える。
あたしから飛び出した言葉は、欲張りの塊だった。
「本当に?」
「うん…。まだ少し優くんのことが気になるけど今は安里くんだけ…かな」
再び安里くんを見つめて、小さく微笑む。
きっと彼は不安でいっぱいだと思うから。
あたしが支えられるのなら支えたいと思った。
これは本当に本当だよ。
支えてあげたかった…。
「まじで!?すごい嬉しい!」
そう言ってあたしを抱きしめる。
ここは道路の真ん中だ。
人はいないとしても恥ずかしすぎる。
「ちょ、ちょっと!!安里くん!?」
「もっともっと俺のこと好きにさせるから!百合!大好き!」
久しぶりに人間に包まれた。
こんなにも温かいのは安里くんだから?
あたしはいけないことをしているのかな。
誰か教えてください…。
見つめ合うあたしたち。あたしたちは夕陽に見せつけるかのように、道路の真ん中でキスをした。
安里くんとの初めてのキスは、素直に喜ぶことのできないキスだった…。
そして夏本番になる。
この恋は、打ち上げ花火のように儚く散るのだった…。


