あちこちで蝉の声が聞こえてくる。
夏なんだ、と肌で感じられる。
安里くんとは部活が終わったら、毎日一緒に帰っていた。
周りからは、そういう関係という目で見られる。
少し嫌だなと思ったが、安里くんの笑顔を見たらそんな気持ちはふっと消えていった。
今日は朝から体育。
体育は6組と合同だ。
もちろん、男女別々だけれど。
「毎日毎日本当に暑いよねー」
更衣室で体操着に着替える瞳がこう言った。
あたしは制服のボタンを外していきながら「そうだね」と相槌を打つ。
眩しく光を放つ太陽を何度見ても、優くんを思い出してしまうあたしは、最低ですか?
「今日はテニスだってさ!百合、良かったね!」
「テニスなら頑張らなくちゃ!」
優くん、
前に進んでいますか。
あたしはあなたを忘れなくてはならない。


