携帯を耳に当てながら、優くんからもらったペアリングを見つめる。
嘘じゃない。
このペアリングがそう語っている。
すると電話の向こう側から雑音が聞こえてきた。
「優くん!?今どこにいるの?」
そう聞くと弱々しい声が耳に入る。
これは間違いなく優くんよね?
何故そんなに元気がないの?
頭の中が混乱する。
どうしたらいいかわからなかった。
『わからない…』
「どうかしたの?」
おかしいよ、優くん。
こんなの初めて。
きっと笑顔もどこかに忘れてきたようだね。
だからあんなこと聞いたのでしょう?
『…百合は俺のことどう思ってるの?』
心の中の鏡がぱりんと割れたような気がした。
唐突すぎて、理解ができない。
「えっ?何言ってるの?ねぇ優く……」
ぷつん、と電話が切れてしまう。
そしてあたしの顔からも表情が消えた。
優くんは不安だったのだ。
あたしのせいで不安にさせていたの…。


