もうふらつきたくないのに、迷いなどしたくないのに、どうして思い出させるの?
あたしは返信をする。
《本当にこれが最後ですか?》
その返事はすぐに来る。
《本当だよ。これで最後》
「本当かな…」
首を傾げて、疑問を抱く。
けど先輩に貸していたものがあったから丁度いいかもしれない。
あたしは立ち上がり、ラフな格好で家を飛び出した。
この行動が悪夢の引金となる。
優柔不断な態度が自分を苦しめるのだった。
「ちょっと出かけてくるね。」
こうお母さんに告げて家を出る。
街中に傘が咲く。
色とりどりの傘の色。
まるで紫陽花のようで気持ちが和らぐ。
先輩の家は自分の家から30分くらいの距離にある。高級住宅地の一軒。
やはり医者の家は建前がすごい。
弾く水溜まりを避けながら歩いていく。
その間、先輩との想い出を振り返っていた。


