あたしが素直に話せなかったのは、あなたを失いたくなかったから。
けれど結果的にあなたを失うことになった。
何度謝っても、何回『好き』と伝えても、あなたは信じてくれないよね。
本当にごめんね…
本当に愛してる…
悲劇の始まり。
それはあたしの誕生日の一週間前のこと。
一通の先輩からのメールから始まる。
この日は雨が降っていた。
夏は滅多に雨が降らないからだろうか。
存在を忘れられたくないのか涙のように空から水滴が零れ落ちていく。
きっと先輩も雨のように、存在を忘れられたくなかったのだろう。
あの人は人一番寂しがり屋だから。
「どういうこと?」
あたしは携帯を凝視する。
意味の分からない言葉たちが並んでいたからだ。
《渡したいものがあるから俺の部屋まで来て》
内容はこう。
渡したいもの?
あたしに?
部屋まで来て?
あたしが?
先輩は最後だって言ったから写真を撮ったのに、繋がっているのはおかしいよ。


