水族館から姿を消す二人。
まだイルカは優雅に踊っているかな?
電車の中でもそれを思い出していた。
「今日はとっても楽しかった!ありがとう。また行こうね」
「これから嫌というぐらい連れてってやるよ」
「約束ね」
絶対だよ?
また手を繋いで行こうね。
あたしたちは最後にキスをして別れた。
今日は手を繋げたし、キスもできたし、写真も撮れたし、本当にいい日だった。
あたしはルンルンな気分で家を目指す。
帰ったら写真をお母さんに見せよう。
なんて反応するかな?
あたしが上機嫌のとき、優くんは闇の中に堕ちていた。
ここから歯車が狂い出す。
「ただいま!お母さーん!!」
早く見せたい。
サンダルを脱ぎ捨てて、リビングに向かう。
そこには夕食の準備をするお母さんがいた。
今日は揚げ物のよう。
「おかえり、百合」


