違うね。
あたしが嘘つきだからだよね。
電話を切って、先輩から離れる。
体が熱い。真夏だから?セミの声があたしをイライラさせる。
「あたし…これから用事あるんで…」
こう一言だけ呟いて、公園をあとにする。
広い公園に先輩を残して、走っていく。
この時、あたしは安心しきっていたのかもしれない。
先輩がとても卑劣な人間だと知るはずもなかったから。
サンダルの音が街中に広がっていく。
早く、早く。
一秒でも…早く。
待ち合わせの駅に着いたのは10時半だった。
待ちくたびれたのか、優くんはベンチに座って、携帯をいじっていた。
そんな彼の姿を見たあたしは罪悪感に襲われる。
「ごめんね!?寝坊しちゃって」
どうして素直になれなかったのだろう。
「うん…大丈夫?」
下手な嘘をついて、あなたを傷つかせて…
「うん!ごめんね。行こ」
心配かけたくなかった。迷惑かけたくなかったから下手な嘘をついた。


