静かな公園に、突然奏でる音楽。
持っていた携帯が鳴り出したのだ。
この音楽は、優くんだ。
びくりと体が反応をし、焦り出す。
出なくちゃ…
けど先輩がいる。
でも優くんの方が大事だ。
あたしは通話ボタンを押して耳に携帯を当てた。
『百合?どこにいんの?』
やはり心配をしているようだ。
それもそうだろう。
遅刻するのは今日が初めて。
「ごめんね、もうすぐ着くから!!」
先輩に背を向けて、優くんの声に集中する。
その時、背後に気配を感じた。
近づいてくる人の体温。
後ろを振り返ると先輩があたしの真後ろにいたのだ。
肩に触れる先輩の手。
また、びくりと反応をする。
『やめて』と目で訴えても、するすると先輩の手は下へと這っていく。
ワンピースは薄いから、簡単に肌を感じられる。
『早く来いよ?』
「ごめんね」
優くんに気づかれる前に電話を切りたかった。
でも優くんは敏感だったよね。


