コトバノマホウ




たった約50音で、
何もかもを表した僕ら


大切な感情だって
宝物だって
誰かを殺してやりたくなるような負の感情さえ、

何文字かの組み合わせだ。




ちっぽけで、ちっぽけで、
泣いちゃいそうだよ。






君に渡した I love you
空っぽの2文字、壊れやすい2文字


そして
ありがとう って言った君の言葉
使いふるされた 普遍的な言葉






なんでかな。
虚しくて
もうそこに価値は見いだせないんだ












「ばかみたい。

言葉が器だから 私たちは気持ちを込めることができるのに。

あなたには伝わらなかった?
私の心が」









僕がそんなこと思っていると
君がそう言うから





僕は 静かに静かに笑ふ




そうだ、そうだよ




ならば、



そうならば。














僕はたくさんの言葉を話そう

たくさんの物を好きになろう








透き通った 君の心 僕の色で 乱れるように

その1言に全てをかけて














僕は そっと、



今まで、苦手だった
だけど必要だったあの2文字を
呟いた



「……………………愛」







「ナァに?」



それは大好きな 君の名前だ。