「園田はミスも多いし、残業もしたがらないから仕事が振りにくい」
ぴしゃりと言い放った課長に、希ちゃんが慄く。
「冴島は文句も言わずどんな仕事も受ける。しかも丁寧で目配りの利いた仕事をしてくれる。だから皆冴島に頼みたがるんだ」
嘘、そんな風に思ってくれてたんだ…。
物凄い状況なのに、課長の言葉に感激してしまっている自分がいた。
今まできついことも沢山あったけど、頑張ってきて良かった。
て、今の状況が一番きついかもしれないけど。
「冴島を妬むよりもまず自分を顧みろ。こんなことする暇があったら、ちゃんと仕事してくれ」
額に手を当て、ため息を吐きながらそう言った課長は相当お疲れの様だ。
ごめんなさい、こんな面倒ごとに巻き込んで…。
