どん底女と救世主。



***


なんで、こうなったんだろう…。


目の前には、いつも通り無表情とも言える深山課長。

そしてその膝の上からは可愛いらしい丸い瞳が2つ、私をじっと見つめている。


ーーニャア

課長の骨ばった男らしい大きな手が頭に添えられると、その重みが気持ちいいのか丸い目を細めて気持ちよさそうに膝の上の猫が鳴いた。


そう、ここはまさかの猫カフェだ。


亀井主任への出産祝いを無事選び終わり、モール内を少しぶらぶらしていた私たちはお腹も空いてきたので昼ごはんを食べようということになったはいいけど。


ショッピングモールは、もう人が多くて多くて。とても食事をする気にはなれなかった。

取り敢えず車を止めていたコインパーキング付近で、どこか食べるところを探そうと歩いていたとき、


『あ、ここ』

『なんだ。ここがいいのか?』


この猫カフェを見つけた私は、この前友達がSNSにあげてたな、と思っただけだったのに…。