しばらく、デートしない日々が続き、メールの交換だけだったある日、夜中に電話があった。
「俺、よく考えたんだけど、これから会えないかな?」
「いまどこにいるの?今日は雪が降るんだよ」
「隣駅の海にいる。ほら、最初にデートしたところ」
「今からじゃ、行けないよ。終電出ちゃってるでしょ」
時計を確認しながら言う。
「じゃあ、今から行くよ。待ってて」
「待っててってどう言うこと?」
「会えば分かるから、寝ないで待っててね」
そう、いうと電話が切れた。