「今日、サチエに告白されて改めて気付かされた。嗚呼、やっぱり俺はアイが好きだって」


真剣な顔つきでそう話すタケの言っていることは、どうにも嘘には聞こえない。

時計の針は通り魔発生時刻を過ぎ、18時10分に近付こうとしている。

18時10分、それは”死の手紙”の差出人が現れる時間。


このままだともしかして、差出人は……タケってことなの?

「アイ。俺も、”死の手紙”を信じるから。だから、一緒に死を乗り越えよう。アイの支えになってやりたいんだ」

「え? 」

その台詞を聞き、私は目を丸くさせる。

「手紙を、信じるって……。タケは手紙の差出人じゃないの? 」


しかし、質問を受けるタケも、首を傾げていた。

「いや、俺は”死の手紙”なんて書いてないぞ」