「どうしよう、どうしよう……」
急いで電話を掛け直すも、彼女は一向に出る気配が無い。
「さっちゃん、お願いっ……! 電話に、出て……っ」
時計の針は止まらない。
刻一刻と、秒針は廻り続ける。
57分、58分……、通り魔発生の時間へと近付いていく。
今から私が家を出ても、さっちゃんが商店街にたどり着くまでには距離的にも到底間に合わない。
「さっちゃんっ……」
と、その時。
ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。
「だ、だれ……? 」
両親が帰ってくるにも、さっちゃんが来るにも早過ぎる。
ということは、玄関にいるのは、それ以外の誰か……。
「もしかして、手紙の差出人……? 」