寝る準備を整えて布団に潜り込んだ私は、差し出し人不明の水色の封筒に入った手紙を入れる誰かさんに、そっと祈りを捧げる。


(明日も手紙は届けられるのかな?どうか、”死の手紙”で、また私を助けてください……)、と。


一体誰が、何の目的で”死の手紙”を入れているんだろう?

そもそもどうして、未来予知みたいな事が出来ているの?


もしもタケの言った通り、今朝に届いた赤い封筒とは別の人が、手紙を書いているのなら。


私を助けようとしてくれているのかな。


ムクッと体を起こして、ピンク色したカーテンを開けてみる。

窓越しにポストを目視してみるけれど、家の前の通路を歩く人影は、何処にも無かった。

ま、そんな都合良く居るわけないか。手紙の差出人が。


シャッとカーテンを閉め直すと、僅かに入り込んできた冷気に体が震えた。


「うー、寒っ」


まぁ手紙のことは、明日レンと一緒に考えよう。



➖ ……加藤 愛がカーテンを閉めた、直後 ➖

加藤家のポストがカタンッと小さく音を鳴らした。

ポストに入れられたのは、あの水色の封筒だった。

暗闇の中、謎の人物は加藤 愛の部屋を静かに見つめる。


「これがきっと、最後になるだろう」


そんな言葉を、呟きながら。