短くお礼を述べてからさっちゃんの方に視線を向けると、彼女の頬は少し膨らんでいた。


親友の心に芽生えている感情はきっと、片想いの相手にそれほど構ってもらえなかったことからくる白々とした空虚感と、黒い嫉妬心だろう。

「さっちゃん、……ごめん。タケとはあまり仲良くしないようにしようって思ってたのに……」

その言葉にハッと我に帰ったさっちゃんは、ワタワタと胸の前で両手を振る。


「いや! アイは何も悪くないよっ。ほんと、私からの好意に気付かない、鈍ちんなタケが悪いよ。あーあ。もう告っちゃおうかなー。な〜んて。あははっ」


いつもと変わらない天真爛漫な笑みを浮かべるさっちゃんにホッと胸を撫で下ろした私は、朝のホームルームを受ける為に席に着く。



.....そんな加藤 愛の後ろで福田 幸枝は、神妙な面持ちで愛の背中を見つめていた。

「本当に、告白しちゃおうかな......」