「そう言えば、今日も”死の手紙”は届いたの? 」

「.....うん。これが噂の、その手紙」

私は鞄の中から2つの封筒を取り出し、さっちゃんに手渡す。


「なに、2通もあるの? うわ〜、こっちはまた、悪趣味な封筒だね」

「今日の朝も、ここに書かれている通りの出来事が起こったの」

ひどく憂鬱で悲しみや切なさにも似た感情を眉に隠しながら、さっちゃんは手紙の文章に目を走らせている。

「うーん。一体誰がこの手紙を入れてるんだろう?もしアイを事故から救おうとしてるなら、こんな回りくどいやり方しなくても直接言えば良いのにね。あ、でも赤い封筒の方は、殺すって書いてあるし......何がしたいんだろ、この人」

親友の呟きに、深く頷く。

「ホント、何がしたいのかよくわからないよね」


っと、その時。

「きゃっ! 」

後ろから近付いてきた男子生徒によって、さっちゃんの手にあった”死の手紙”が奪い取られた。