「アイー!そろそろ起きなさーいっ!!学校遅刻するわよ!!」 1階の階段から、我が子を必死に起こすお母さんの叫び声が木霊する。 眠気目で階段を降りていくと、キッチンには仕事前にコーヒーと食パンで腹ごしらえをする、スーツ姿のお父さんがいた。 「おはよう、アイ。ポストから新聞取ってきてくれないか?」 「はぁーい」 湯気を立てている熱々のコーヒーを啜っている父の声を背に、私はパジャマ姿のまま扉を開け、庭先にあるポストへと向かう。