「今日は朝練に参加するからアイと一緒に登校出来ないけど、部活が終わったら一緒に帰ろう。校門で待ってる」


レンはそう言い残すと、駆け足で朝練へと向かっていった。


彼の背中を眺めて火照る私の顔とは対照的に、空からは”死の手紙”通りに冷たい雨がポツポツと頭に降り注ぐ。


「わっ、降ってきた！」


ビー玉をひっくり返したかのような雨の音が、耳に入ってくる。

クヨクヨしてたって、しょうがない。

誰が入れてるか分からないけど、私はこの手紙を信じて、自分が死なないように行動するしか無いんだ。

「ボーッとしてないで、学校に行く準備をしなくっちゃ....。」

つっかけをパタパタと鳴らしながら、私は逃げるようにして玄関に飛び込んだ。