深く深呼吸をし、震える手に力を入れて、腹を括る。

「よ、よし。まずは昨日無かった赤色の封筒から、開けるね」

「ああ」

赤い封筒の中からは極々普通の便箋が顔を出す。


しかし、そこには常軌を逸したメッセージがズラリと並んでいた。


【どうして僕を見てくれないの?昨日の朝、僕以外の男と一緒に登校していたね、そんなの許さないよ。僕だけだ。僕だけが、こんなにも君をこんなにもこんなにも愛しているのに。アイちゃんは、妬かせるのが上手だね。それに、踏み切りの中に飛び込んじゃ駄目だよ。死んじゃうよ?勝手に死んじゃ嫌だよ。俺が君を殺すんだから。永遠に私のものになって、一緒に愛し合おうよ?愛してる愛してる愛してる今日貴女に会いに行くよ?楽しみに待っててください】


「なに、この手紙.....気持ち悪い」


昨日の朝に登校した男って、レンのこと?

この手紙の差し出し人は、どこからか、その光景を見ていたの?

「マジでヤバい奴だな、コイツ」


嫌悪感丸出しのレンの表情が、手紙の差し出し人の異常さを物語っている。