通学鞄を置き、手洗い後にキッチンに向かうと、ホカホカと湯気を立てるご飯が卓上に並べられていた。


昆布と煮干からとった自慢の出汁が効いてる味噌汁、ツヤツヤの炊き立てほんのり甘〜い白ご飯。

ホクホクの肉じゃがの中に混じったビーンズが、ひときわ存在感を放っている。


こういうのも何だけど、ウチのお母さんが作る料理はどの家庭にも負けないくらいに、美味しいと思う。


「はー、お腹すいた」


食卓には、ちょうど先ほど仕事から帰ってきたらしいお父さんがスーツを脱ぎながら、ニュースを見ていた。


「あれ、この風景って....」


気になるフレーズに私も一家の大黒柱の背中越しに、チラリとニュースに目を向ける。