「誰が書いたかはともかく、もしその手紙に書いてある事故が本当に起きるならさ、それを避けることだって出来るわけじゃん?わざと時間をズラして行動したり、その場所に行かなかったりしてさ」

「あ、なるほど。言われてみれば、確かにそうだね」

タケの言う通り、死に直結する事故や事件があらかじめ起きると分かっていれば、それを回避することも出来る。

「俺は、その手紙は生に鈍感なアイに対して誰かがくれた、ありがた〜い手紙だと思うぜ?」

「タケ、一言余計だよ」

ぷくっと私が頬を膨らませていると、隣でさっちゃんが「んー」っと唸る。


「本当に、ありたがたい手紙なのかなぁ?私にはアイを怯えさして楽しんでる、悪質なイタズラにしか見えないけど....。現にこうして、振り回されてるしさ?」

さっちゃんの言うことも一理ある。


教室に、朝のホームルーム開始を告げるチャイムが鳴り響く。

私は話を聞いてくれた2人に感謝の意を述べ、こう返した。


「まぁ、今日1日は手紙のことは半信半疑で過ごすことにするよ」