その時の私は、余程ひどい顔をしていたのだろう。
椅子の倒れた音に驚き数秒間時を止めたクラスメイト達と、さっちゃんが心配そうにこちらを見ている。
「....アイ?どうかした?」
登校してくる学生が増え、騒つく廊下の喧騒が聞こえる教室で少し、言葉を詰まらせる。
「いや、あの、実は....」
気味が悪く感じながらも倒れた椅子を元に直し、一呼吸置いてからさっちゃんに朝からの経緯を説明した。
家のポストに私の死が詳細に書かれた手紙が入っていたこと、その手紙の通りに朝、電車に轢かれそうになったことを。
「なるほどねん。”死の手紙”、か」
「私、怖くって。誰がこんな手紙を...」
「アイの熱狂的なファンがいたりして?」
心配してくれているのか、冷やかしているのか分からない彼女の腕を軽く押す。
「もー!ホントに怖いんだからね!」
「あはは。ごめんごめん。でもさ、近くにレンくんがいて良かったね。レンくんがいなかったら、アイはもしかしたら死んでたかも知れないってことでしょ?それって普通に怖いよね」
「うん....。ホント、助かったよ」
今こうして会話を交えることに対して生への有り難みを噛み締めていた2人の後ろに、ぬっと近付く1人の男子がいた。
「よーっす、アイ、サチエ」
椅子の倒れた音に驚き数秒間時を止めたクラスメイト達と、さっちゃんが心配そうにこちらを見ている。
「....アイ?どうかした?」
登校してくる学生が増え、騒つく廊下の喧騒が聞こえる教室で少し、言葉を詰まらせる。
「いや、あの、実は....」
気味が悪く感じながらも倒れた椅子を元に直し、一呼吸置いてからさっちゃんに朝からの経緯を説明した。
家のポストに私の死が詳細に書かれた手紙が入っていたこと、その手紙の通りに朝、電車に轢かれそうになったことを。
「なるほどねん。”死の手紙”、か」
「私、怖くって。誰がこんな手紙を...」
「アイの熱狂的なファンがいたりして?」
心配してくれているのか、冷やかしているのか分からない彼女の腕を軽く押す。
「もー!ホントに怖いんだからね!」
「あはは。ごめんごめん。でもさ、近くにレンくんがいて良かったね。レンくんがいなかったら、アイはもしかしたら死んでたかも知れないってことでしょ?それって普通に怖いよね」
「うん....。ホント、助かったよ」
今こうして会話を交えることに対して生への有り難みを噛み締めていた2人の後ろに、ぬっと近付く1人の男子がいた。
「よーっす、アイ、サチエ」



