「ちょちょちょ、さっちゃん！」

慌てて彼女の袖を引っ張り、ひそひそ声で耳打ちをする。


「教室のド真ん中で、そんなこと言わないでよ〜...。しかも、声大きい...」

「良いじゃん良いじゃん！レンくんはアイしか見えてないってこと、他の女に教えてやりなよっ」

悪びれることなくバチコーンッと星が出そうな程のウィンクをかましてくるさっちゃんに、ガックリと項垂れた。

「レンは、別に...。私が一方的に、好きなだけで....。昨日だって、冗談で『なんやかんやでレンは私のこと好きだよね〜』って言ったら、『は？寝言は寝て言え』って冷めた感じで返されたしさぁ」

それを聞いてさっちゃんはおじさんのようにハッハッ！と大きな口を開けて笑う。

「またまたー。アイはもっと自分に自信持って良いと思うよ！」

素直にそう言ってくれるさっちゃんの言葉に、望みのない片想いに肩を落とす私は、何度も救われてきた。

だから例え空気が読めなかろうが、変わらず親友でい続けられる自信がある。

彼女も同じく、私の悪い部分を真っ向から否定せずに接してくれる。

悪い所も良い所も全て受け入れて、接せれる。

それもあって私達2人は、上辺だけじゃない、紛れも無い親友なんだと改めて実感する。