レンと合流した後も、どんよりと怠い気分で学校へと歩いていた。

周りには同じ制服に身を包んだ生徒たちが、歩きだったり自転車に乗ったりして、同じ方角に向かっている。

「はぁー。手紙の差出人、誰だろう。ストーカーとかだったら、嫌だなぁ。なんか最近、家にいても外にいても、どこにいても視線を感じるんだよねぇ」

深い溜め息を吐くと、額にコツンと隣を歩く人の手の甲が当たった。

「あんまり気に病むなよ。俺がついてる」


あー。まぁ、こうして片想いの人と一緒に登校出来たことについては、あの手紙に感謝しようかな。

「うん、ありがとう」

学生やサラリーマンが行き交う住宅街を、足並み揃えて進んでいく。


しかし、レンに頭を小突かれた瞬間、どこからかピリピリとした殺気を感じた。


嗚呼、疑心暗鬼になっているのだろうか。

誰かからの視線を感じてしょうがない気がする。