殺人鬼からのラブレター

「いや、違う。朝練はサボる。今日はアイに用があって来たんだ」

いつに無く真剣な顔をしてそう話すレンの雰囲気に、思わずピタリと動きを止める私。


「ど、どうしたの?そんな眉毛を眉間に寄せて……」

次に彼の口から飛び出したのは、衝撃的な発言で。


「アイ、好きだ。俺と付き合ってくれ」


「へっ?! 」


自分でも、よくここまで間抜けな声が出たなぁと、感心する。

「えー、あはは、あの?すみません、何かの言い間違いですか? 」

「いや、言い間違いなんかじゃない。今までずっと、好きだった」

信じられない。いきなり私のことが好きだとか、レンが言うはずがない。


だってだって、昨日までそんな素振り全然無かったじゃん!

きっとからかってるんだ、私のこと。


それか罰ゲームか何かだろう。

冷える身体とは対照的に熱くなる顔を背けながら、私は苦笑いを浮かべた。

「冗談はよしなよ」

そう言って、家に入ろうとすると。