ガチャッと扉を開け、白い息を吐きながら大きく足を動かし、目的地へと全力の猛ダッシュ。


「うーっ、寒っ! 」

口を開くたびに、白い息が視界を遮った。

寝起きの頭には、こめかみを押し付けるような冷気が襲いかかる。

12月の霜が張り付いてキンキンに冷えたポストのフタを開けると、中にはいつものように新聞が入っていた。


毎朝、新聞をポストまで取りに行くのが私の日課。

雨の日も風の日も、ポストまでひた走っている。

……まぁ、距離的にはすぐそこなんだけどね。

白い息を吐きながら、クルリと急いで身体を回転させる。


「はー、早く中に戻ろっ」


そう思い、一歩前に大きく踏み出した、その瞬間。