いつだって彼は私の憧れで、ヒーローで、ずっとずっとこれからも片想いの人でいるんだと思う。



「ん、分かった。ありがとう。じゃぁご飯食べて準備出来たら、レンの家に行くね」

けど、告白しないのは....きっと精いっぱいの、私の強がりだ。


人の世話が好きで、レンを一途に思い続けることくらいしか取り柄のない自分が、モテモテの彼に告白したところで、気まずい思いをさせてしまうだけだろう。


それならば、レンにとって素敵な人が現れるまでこの距離感が保てれるなら、それで良いや....なんて。


臆病な私なりの、精いっぱいの、強がり。


「おう。じゃ、また後でな」

片手を上げて返事を返す頼もしい背中にキュンとしながら、私も新聞と死の手紙を抱えて震えながら家の中に戻った。