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携帯のアラームが、鼓膜から脳へと響き渡る。


「かはっ、」


ガバッと布団を捲りあげ、肩で大きく息を吸い込む。


「俺、今、確か踏切で……」


枕元で鳴り続けるアラームを止めるために携帯を手に取った俺は、日付と時間を見て驚愕した。

「え、……」

日付けは、12月1日の05時50分。

「嘘だろ、……」



さっき見ていた光景は、夢?

いや、でも夢にしてはやけにリアルだった気が……。

「くそっ、なんだって言うんだ」

左手で顔を抑えると、額が熱いことに気付く。

そういえば、身体もやけに怠くて重い。

「まさか……」


変に騒ぎ出した胸を抑えながら、俺は体温計を脇に挟む。

取り出した体温計には、37.2℃の数字が表示されていた。


「……さっきと、全く同じだ。どうなってるんだ? 」