偽王子と嘘少女



というか、『こた』について何も触れないでいてくれたところも素敵。


やっぱり、紫水くんは紳士だ!


「おはよー、かぐや」


嬉しい余韻に浸っていると、誰かに声をかけられたような気がして、振り向くと希子がいた。


いつもの明るい笑顔で。


「お、おはよう…久しぶりだね」


会うのがあの夏祭り以来となるために、どう対応すればいいか分からず、素の自分が出てしまった。


聞いてもいいのかな。


「…あのさ、希子」


「ん?」


「えっ、と…」


いざとなると、思いがつまる。