廊下を歩きながら思い出す。
ここで、ゆかりにいきなり声をかけたっけ。
思い出すと、涙が出そうになる。
大嫌いだった廊下・・・
椅子を投げたあの日。
ゆかりに恋をして、俺は廊下が好きになった。
雨はまだあまり好きではないけどね。
雷もまだ嫌いだけど…
ゆかりが俺の生活を変えてくれたことは確かだ。
卒業式なんて、来なければいいのに…
この汚い上履きも、改造した制服も、もうさよなら。
そして、俺とゆかりの甘い中学生活も終わる。
もう、毎日会うことはできない。
もう、手を繋いで帰ることもない。
俺は、ばかな高校でずっと君を想うだろう。
君は、新しい学校で新しい出会いをして、世界の広さを感じるんだ。