嫉妬心が芽生えたのも新垣のせいだった。


それまでも今でも新垣以外の男の人に嫉妬することはない。




見てしまった。

授業中、直に向けられる新垣の視線。



新垣は全ての生徒に優しくて、平等。

きっと、私でなければ気付かないであろう少しの違い。



新垣を好きな私だからこそ、気付いてしまった。

見つめ合う2人を…


直と私の違い。

見た目や性格ももちろんだけど、


何よりも愛し方が違っていた。



新垣が私を好きにならないのは当然で…


他の男が私に本気にならない理由もそこにある。




私は常に自分が一番なんだ。


自分中心で、自分の欲求や寂しさを満たしてくれることを望む。



だけど、直を見ていてわかった。



直は、新垣に話しかけるとき

『先生、元気?』

『先生、風邪?』

『先生、元気ないよ~』


いつも、新垣を気遣う言葉ばかりだったんだ。



ずっと前から。



私と友達になったときから直はそうだった。


新垣に対してだけでないことはわかってる。



実際、私にもいつも優しい言葉をくれるから…