変われるかな、私。


ゆかりが、直の為に私にくれた『出会い』を私は、ちゃんと受け取ることができるかな。


もし、彼を愛せたら

彼に愛されたら・・・



私は、もう一度、人生をやり直せる気がするんだ。


人を信じて

人を愛して、人に甘えることができるかも知れない。



ポツポツと降り出した雨が、心の奥の傷をまた浮かび上がらせる。


お父さんの記憶。




誰にも話したことのないお父さんとの思い出を、彼になら話せる気がした。


彼なら

わかってくれるような気がした。



まだ


何も知らないのに。





『龍』という名前だけしか知らないのに、あの瞳が私に一筋の光をくれた。