雨のち虹 ~カタツムリの恋~



「じゃ~、また!!」


彼の愛嬌のある声が耳に残る。



黒い車から離れたゆかりは、車に向かって大きく手を振った。



「ゆかり!さっきの男、彼氏じゃないよね?」



本当は心臓がドキドキしていた。

でも、変なプライドがそれを必死で隠そうとする。


「紹介してよ!ゆかり!」


軽い女ぶって、

また嫌われる。