ふと顔を上げると、さっきの無愛想な店員がいた。
俺は目を合わせないように、その場を離れた。
ん?
あいつ、俺と同じコーヒー買ってる。
偶然か・・・
俺は、俺と猫で飲み干した缶を、店員の女の横にあるゴミ箱へ投げた。
わざと外して・・・
あの仏頂面を笑わせたくて。
少し茶色い髪。
俺と同じ痛んだ髪。
なかなか笑わない女。
猫をよろしく、と俺が言うと、その子は・・・
別人のように輝いた笑顔を俺に向けた。
また・・・落ち込んだらここに来るか・・・
あの子のおかげで、泣きそうだった気持ちも吹っ飛んだ。
誰だか知らないけど、
黄色い制服来た無愛想な店員に、また会いたいと思った。