新学期がやってきた。


私が新垣を追いかければ追いかけるほど、友達は私から離れていくようだった。

一番仲の良かった美久も、私を応援してはくれない。

もちろんライバルである直も、その親友のゆかりも、私には距離を置いていた。


それでも、やっぱり私は新垣を追いかけるしかなかった。

新垣に話しかけて、怒られたり、笑われたり、そんな瞬間が好きだった。

生きてるって思えた。


こんな私でも真剣に相手をしてくれる新垣は、最高の教師だと思う。


「先生!明けましておめでと~!ねぇ、今度先生の家に遊びに行きたい!!」


始業式が終わった後、廊下で新垣を呼び止めた。

私はわざと、新垣が怒るようなことばかり言ってしまう。

わがままを言っても誰も私を怒ってはくれないから・・・

誰かに怒られたいのかも知れない。