素直の向こうがわ




選抜リレーが終わり、残るは閉会式だけだった。


体育祭実行委員長の挨拶の後、生徒会長の挨拶があった。

興奮するでもなく淡々と淀みなく挨拶をする河野の姿に、いつも隣に座る河野が途端に遠くなったような気がして可笑しくなった。


そもそもそんなに近かったわけでもないのに。


この後、河野に頼まなければならない。
また、怒らせてしまうのかもしれない。

でも、こんなことをするのもこれで最後だ。


もうそんな必要もなくなる――。