真冬のある日私は海岸にいた。

三年付き合った恋人が、

突然私の前からいなくなってしまった。

「ねえ、あなたはなぜ私の前から消えてしまったの?」

裸足になって波打ち際に立ってみた。

冷たい。

そう私は生きているのだ。

あなたの最後の表情が私の目に焼きついて消えない。

私はどうしたら良かったの?

綺羅はそう問いかけた。

もうこの世にはいない恋人に。