三学期が始まって1か月。今日は勉強会と称してうちにいつものメンバーが集まっている。



そんな中、カーペットに座る私を背後から抱きしめるのは渚以外の誰でもない。




「ラブラブしすぎー!柚葉はあたしの!」



「あ?俺のだから」




私を挟んで渚と莉子は口喧嘩。




「莉子も渚もさぁ、いつも言ってるけど私は物じゃないの!」



「柚葉は俺の」



私は渚の優しい香りとあたたかさに全身を包まれ、顔が熱くて必死に抵抗する。


…まあ現役サッカー部員には勝てないんだけどね。




「なあ柚葉、来週の土曜日、どこ行く?」



そう、来週の土曜日は久しぶりにサッカー部が一日オフなんだ。だから渚に出かけようって誘われて。



「その日……午後からじゃダメ?」




だってその日は……バレンタインなんだもん。