「友子…ちょっと相談があるんだけどいい?」
私が同期の佐伯友子[さえき ゆうこ]に例の話を持ち出したのは、ストーカーの気配を感じ出してからもう一ヶ月近く経っていた。
馴染みの喫茶店にランチに行く道のりの途中に何気無く切り出してみた。
会社の前を通る道路の桜もとっくに散って青々としてきている。
こんなに外は爽やかなのに、私の気持ちは暗雲に覆われている。
「な、なに。サク、どうしたの。何かあった…?いじめられてるとか⁈」
友子は見た目はちょっと派手なんだけど、いつも私のことを気にかけてくれる。
今回も相談なんて言い方をしてしまったから、立ち止まってすごい剣幕で肩を揺さぶってくる。
「友子…く、くるしいんだけど。」
「あ、ごめん。で、どうした?」
「それが…最近、ストーカーにあっていて」
この一ヶ月のことを簡潔に私は友子に話してみた。
