「ただいまー」


バフッ。

勢いよくソファに飛び込んだ私。

超疲れた…。

やっと何も考えずに…眠れる…。



目を開けて…眠りから覚めたはずなのに

私の目の前には変人の寝顔。

これは…夢?


…じゃない。

変人の寝息を頬に感じる。

………。

「何で!?」

私は慌てて起き上がる。

どうして私の隣に寝てるの?

っていうか、どんなして中に入ったの?

お姉ちゃんから合鍵でももらった?

いや、そんなわけない、ない。

じゃあ、一体どうやって?

ガチャッ。

私はとっさにソファから降りて床に座る。

「あれ? 那子
ここに居たの?」

「あっ…お姉ちゃん。おかえり」

「帰ってきた時、『ただいま』って言ったんだけど聞こえなかった?」

「そう…なんだ。ごめん。私寝てて…気づかなかった」

「床で寝てたの?」

「うん…そうだよ…。
眠たさのあまりにそのまま倒れちゃったっていうか…」

「倒れた…って大丈夫なの?」

「大丈夫だよ…。たっぷり寝たし…。
それより…

連れてきたんだね…」

「ああ…。本当は家の前でさよならするつもりだったんだけど、私が鍵を開けて中に入るのと同時に彼も入って来ちゃって…」

「そ…っか…」

そんなにお姉ちゃんと…


さよならしたくなかったんだ…。

ヤバい…。


「お姉ちゃん…。私、宿題があるから部屋に戻るね…」

「うん…」