「だっけ?」

「有名じゃん!!
学校の木に登ってたとか! 授業中に怪しげな言葉をしゃべってたとか! 人体模型に笑いかけてたとか!」

「ユニークなやつだな」

「変人!!」

「変人ね。変人」

「変人がお姉ちゃんの彼氏なんて…どうして…うっ…ううっ…。涙がでてきた…」

「だな。それにしてもよく知ってるな。
もしかして好きだったとか?」

「泣か…ううっ…せたい…の…?」

「泣いてるだろ」

「ううっ…好き…ううっ…な…わけ…ないじゃん…ううっ…ううっ…。い…ううっ…ちども…はな…し…ううっ…たことな…ううっ…い…もん


「俺は一度はあるんじゃねぇかな?
“おはよう”いや、“ありがとう”いや、そいつってどんな顔?」

「どん…ううっ…なって…」

左目に何かが触れた。



「お前、誰?」




「こんううっ…なっ…か…お…」

突然現れた変人は変人らしく

私の涙をトイレットペーパーの紙で拭いました。

そして

何故かその紙をポケットの中に。

あり得ない……。

涙がさらに増える。

すると、また出てくる新しいトイレットペーパー。


そして、拭うとまたポケットの中に。

なんなの!!こいつ!!!