「なんかお前ら仲良くなったな?」

「なっ…ううっ…てない」

「なってんじゃん!
ほら、今のこの状況。
変人が流している涙を拭き取る変人。
とっても嫌いあってた二人とは思えない。
やっぱり変人同士は気が合うのかな」

「へいうううう…た」

「…好き」


「ええっと…未子と付き合うの反対されたのにか?」

「好き」



…好き?

「未子の妹だから好きってわけだな。

嫌ってたのはお前だけみたいだぞ?」

「ううっ…別にうううう…嫌ってたうっ…わけううっ…じゃ…」

「嫌って言ってただろ」

「そっううう…れは…過…うっ…うっ…去の…ううう…話で…」

「今は?
好き?」

「う…うる…ううう…さい!」

「あー。好きなんだ。
こいつ、俺の事も好きなんだ」

「二ううっ…股みたい…ううう…に言…うっ…うな!!
もう…ううっ…拭…ううう…かな…ううっ…くて…うう…いいから…」

「あっ! 俺も拭こうかな」

平太がそう言うと、またどこから出してきたのか、変人が新しいトイレットペーパーの紙を手にしていて、それを平太に渡す。

「サンキュー。ほら、俺も拭いてやるぞ」

「ううっ…い…うっ…い!」

「遠慮するなって」

「して…ううう…な…うっ…い!!」