少女の髪がかすかに揺れた。 少女ははっとしたように顔を上げた。 眉を顰め遥か彼方を見た。 「来る…。ずいぶん早いではないか…。」 少女のつぶやいた瞬間雷が鳴り響いた。 美しかった場所がだんだん雨の香りに包まれてゆく。 少し向こうに不気味な少女が立っている。 不気味な少女は美しい少女の名を呼んだ。 「永遠の定。」 それが美しい少女の名前…。 「そなたに名を呼ばれることが来るとは…。 こ奴らに何を…。」 永遠の定の横を不気味な少女は ふわりと通り過ぎる。