日下さんを自分の嘘に巻き込んでおいて、断れるわけがなかった。
日下さん、本気で困っている様に見えるし。
「・・・分かりました。 でも、呼吸がヤバイかもです。 危なくなったら助けてください。 それで、どんな嘘を吐くんですか??」
「説明すると長くなるから全部オレに任せて。 身体、無理だったら無理ってちゃんと言ってね。 スッと背中差し出すからサッと乗ってね。 そしたら速やかに走り出すから」
走る準備なのか、日下さんが地面につま先をつけながら足首をほぐしだした。
「・・・またおんぶする気ですか??」
「YES!! やる気満々!!」
日下さんが屈伸まで始めてしまうから、過呼吸だけは絶対に起こさない様に細心の注意を払おうと心に決めた。



