「・・・・・・だったら、何??」

それでも真琴の返事は疑問文だった。

「さっき、真琴の家の近くで美紗ちゃんに会った。 真琴と美紗ちゃんは、中学時代に何があったの??」

和馬も質問をやめない。

「美紗、和馬の前で泣いたりしたんでしょ?? あの子の昔からそうなのよ。 大げさに悲劇のヒロインアピールして他人の同情引きたがるのよ。 和馬も美紗の話を鵜呑みにするの?? ワタシを悪者にするの??」

真琴が美紗を侮辱しながら、自分に攻め入ろうとする和馬を責めた。

自分を正当化したいが為に、唯一の味方であろう和馬をも責め立てて敵に回そうとする、どこまでも頭の悪い妹に鳥肌が立つ。

「確かにオレ、美紗ちゃんの事泣かせたわ」

和馬が、美紗が泣いた事実だけ認めた。

・・・ていうか、『泣かせた』??

「オマエ、何してくれてんだよ!!」

思わず和馬の胸倉を掴み上げた。

オレは、女・子どもに手を挙げないが、美紗を泣かす男には容赦もためらいもない。