「ちょっと待てコラ!!」

反省もしなければ謝りもせずに逃げ切りを計る真琴の態度に、オレの怒りは心頭。

真琴を追って玄関に行くと、真琴は彼氏らしき男に抱き着いていた。

「ワタシ、今日から和馬と一緒に住む!! この家出てく!!」

「その前に、真琴に聞きたい事があるんだけど」

和馬は真琴の肩にそっと手を置くと、自分の身体にまとわりつく真琴をゆっくり剥がした。 そして、

「真琴の中学の同級生に『木原美紗』ちゃんって子、いる??」

何故か美紗の名前を口にした。

「・・・なんで和馬まで美紗の話するの??」

真琴が頬をヒクつかせながら和馬を見上げた。

「しちゃいけないの?? ねぇ真琴、美紗ちゃんとクラスメイトだった?? ちゃんと答えて」

質問を質問で返された和馬が、更なる質問を真琴に被せた。