漂う嫌悪、彷徨う感情。


真琴の話に美紗は両目を見開き、口に手を当てて驚くと、

「・・・後悔してたの?? 反省してたの?? 真琴ちゃん。 ・・・ワタシ、知らなくて・・・。 真琴ちゃんに酷い事した。 ・・・ごめんなさい。 どうしよう。 ごめんなさい。 本当にごめんなさい」

黒目を左右に泳がせながら上半身を折り畳み、真琴に謝り出した。

真琴の気持ちを知るはずもない美紗は、反省し後悔していた真琴に仕返しをしてしまっていた。

「美紗ちゃんが謝る必要なんてない。 反省も後悔も、相手に伝えなければしていないのと一緒だ。 真琴は美紗ちゃんに1度も謝罪してないんだろう?? 美紗ちゃんは何も悪くない。 美紗ちゃんが真琴を怖がるのも無理もない事だ。 真琴はそれだけの事をしたんだから。 だから頭なんか下げないで」

オトンが美紗の肩を叩き、顔を上げる様に促した。

「・・・でもワタシは・・・「言わなくていい。 美紗、それは言わなくていい事だ」

おそらく和馬と温泉に行った事を懺悔しようとしただろう美紗の言葉を遮る様に、美紗に向かって左右に首を振ると、

「でも!!」

美紗がオレを見つめ返した。